Ryukalice

努力したい自分と努力したくない自分

2020-09-23

近況

仕事が落ち着いてきた。大きなサービスのリリースや切り替えが済んで、副業も一旦全てがストップしているので、使える時間が増えてきた。今は特に大きな変化がない時期で、自社のソフトウェア開発部門を分社化して新しく会社を起こそうか、といった面白そうな話はあったが自社サービス企業はサービスを内製しているか否かで投資家から見た印象が大きく変わってくるという話を聞いて見送りになった。副業は来月ぐらいから大きめの案件が計画されているが、Ruby on Rails のプロトタイピングなので手持ちの技術スタックや環境が大きく変わることはないだろう。

やりたいこと

こういう仕事の落ち着いた期間は自己研鑽や新たな挑戦に時間を投資する絶好の機会だ。やりたいことは沢山ある。

技術分野

最近 ドラゴンクエストタクト というスマホゲームに手を出していて、まさか自分がスマホゲームをすることになるとは思わなかったのだが、これが凄く面白い。Twitter で @ryo_ryukalice というほぼゲームのことしか話さないアカウントを1つ作っているのだが、@l_dqt さんという技術者さんに出会った。この方は ドラクエタクトサーチ という攻略データサイトを作っていて、これがまた凄く出来が良くて新機能追加等といった開発のスピードがとんでもなく早い。ソースを見てみると Vue.js で作られていて最近 Nuxt.js を採用したこと等もあって、「Nuxt にしたんですね!」みたいなクソリプを飛ばしながら見ていて「いいなぁ...技術者してるなぁ...」と感じたりした。

ここ最近は React.js と Next.js の仕事をしているのだが、こういう生産性の高さを見ると「Nuxt.js にも本格的に手を出してみようかなぁ...」という気持ちが湧いてくる (当然使用しているフレームワークの生産性というより @l_dqt さんの技術力の賜物なのだが)。それとは別に、前からデータサイトに関する憧れがあって、遡ると小学校の頃に HTML と CSS で ONE PIECE のデータサイトを運営していたりしたものだ。勿論小学生が作るものなのでキャラクターのページに技の一覧が書いてある程度の誰も見ない品質の低いものだが、元々そういうデータを可視化してニヤニヤするのが好きな性格なのだ。最近では軌跡シリーズのデータサイトを作ろうか迷ったこともあった。そんな中、ドラゴンクエストタクトというサービスのローンチから間もない期間で上記の攻略データサイトを作り上げた技術者さんの姿を見て「これじゃいかんなぁ...」と反省しつつ、技術研鑽に力を入れようか迷っているのが1つだ。

教育

前回の記事でも軽く触れたが、Techpit という会社さんから「うちで技術教材を書きませんか」というお誘いを頂いた。Qiita で Ruby on Rails や React Native のサンプルアプリケーション開発入門記事を書いたのが目に止まったとのことで、そういった連絡は他にも沢山受けるのだが Techpit の担当者さんはちゃんと記事を読んでくれていた印象を受ける文面でのお誘いであったし、事前資料も大変わかりやすくまとまっておりサービスの理念にも共感する部分はあったので、教材執筆に手を出すことに決めた。ちなみに こんな感じ の教材になる予定だ。元々技術者教育に力を入れてきた身なので、今後も教育に力を入れていくか迷っているのが1つだ。

執筆

教材記事執筆とは別に、書き物をする機会を増やしていくのも面白いと思っている。最近は Zenn というサービスが流行っていて、note と同様に簡単に自分の記事に課金ができて、いいものを書けば対価が得られるというプラットフォームだ。元々、技術関連の記事でそこそこ面白いものを書くのは得意な方だと思っていて、執筆に力を入れれば月のお小遣い程度は稼げるような謎の自信があるので、ここに投資するのも1つの手だと思っている。

ゲーム

今も変わらず平日休日問わず1日10時間ぐらいゲームをしているので、人生で自分の時間を一番費やしているのがゲームということになるのだが、今までゲーム関連で(開発を除いて)収入を得たことは一度もない。しかし、せっかく多くの時間を費やしている趣味なので、何か収入に近付けたい思いもある。最近、Apex Legends というゲームについて書いた note がバズって1日そこらで40,000という技術記事でも達成したことのないPVを達成し、文章力や語り口について大勢の人に褒められて自分が書くゲーム記事の需要に一筋の光を見出したりもした。

その他

最近妻がクラシックギターを買って弾いてほしい、みたいなことを言い出してくれたり、YouTube で観ながら一緒に弾くだけで上達を感じられる 動画 を見つけたりして、楽器に対するモチベーションが少し上がっている。それとは別に今更ながら YouTube って良いプラットフォームだなぁ...みたいなことを思い始めていて、TIL のチャンネルを解説して毎日1分程度の TIL を簡易スライドにして妻に読み上げてもらうことで、そのうち直接にしろ間接にしろ稼ぎになる日が来るんじゃないか、と思ったりもしている。

何をするにも努力が付き纏う

ここからが本題だが、問題はこれらの何を始めるにしても努力が付き纏うということだ。ゲーム記事の執筆ですら、記事を書かなければならないというプレッシャーがあるとゲームが楽しめなくなることもある。私は怠惰でありたい。努力なんてしたくはないし、大した努力もせずに良い生活をしている人間として生きていきたいし、その姿を見せていきたい。幸いにして現状は仕事も家も車もあるし1日10時間もゲームできる程度の時間もある。今努力しなかったからといって、近い将来にいきなり家族と野垂れ死ぬことは恐らくないだろう。技術においても本業も副業も学べることや挑戦できることが多い仕事を選んでいるので余暇で勉強しなくても成長はできているはずだ。「必要のない努力はしない」が信条なのであれば、今努力なんかするべきではない。

しかし、自分の心の内にある2の不安が「やっぱり努力をしたいかも...」と思わせる。1つ目の不安は、「それでも何かの拍子にいきなり稼ぎ口がなくなるかもしれない」というものだ。前の記事にも少し書いたが、「食いっぱぐれることはないだろう」という謎の自信は Twitter から得ていた部分があった。頻繁にスカウトをされることがあったし、仕事を探すにも採用するにも有利な環境がそこにあった。しかしその Twitter アカウントを消したことで心の拠り所を失ってしまい、将来への不安を感じるようになった。冷静になってみると、Facebook もあるし、そこそこの人脈もあるし、技術やディレクション能力もマネジメント能力も食いっぱぐれるほどではないと思っているので心配はないはずなのだが、謎の将来への不安は何故か消えない。もうすぐ20代も終わろうとしていることが不安を加速させているのかもしれない。

もう1つの不安は、「夢を追いかけられずに死ぬ」というものだ。夢という程大層なものではないが、ゲーム記事の執筆で稼ぎを得たり、楽器で高いレベルに到達したり、YouTube なり Zenn なり note なりでメディアとしての稼ぎ口を持ったり、といった憧れがある。挑戦してみないまま「いつかやってみたいなぁ」という思いを悶々と一生抱え続けるのだろうか...という不安がある。開業や起業と同じで、一度やってみない限りはこの悶々とした想いと一生付き合い続けなければならないのだろう。ただ、toC の活動では心ない声を浴びせられることも多く、豆腐メンタルの自分にそういった活動が向いていないことも分かっている。自社サービスがメディアに露出したり、大物芸能人をプロモーションで採用したりした際にエゴサすると極々一部の無責任で冷たい声に酷く傷付いたりするものだ。この前バズった note であっても、多くのお褒めの言葉を頂いた中で1%にも満たない「こんな奴はランクマに来るな」とか「地雷を増やす記事を書くな」とかいった極一部の声が今も記憶に強く残っている。そういったものに感情を揺さぶられながら発信で稼ぎを得るのは、やはり向いていないのだという確信がありつつも、挑戦しない自分に対して何故かここまでの不安を覚えてしまうのだ。

個人が思う技術者としての正義は「努力せずして結果を得ること」である。勉強せずとも業務で学ぶべきだし、業務時間中そこそこ頑張っているだけで生活が成り立つ当たり前の環境が当たり前に存在すべきだと思っている。努力をしなければ生き残れないような息苦しい社会であってほしくない。「努力をした者が報われること」と「努力をしていない者が生き残れないこと」は似ているようで全く違う。そういう思いからポジショントークとして努力の強制を否定し続けてきている身だが、実情は上記の不安によって努力したい自分と努力したくない自分を彷徨い続けている。なんて面倒くさい人間であろうか。これからもそうやって生きていくのだと思うと、心の豊かさが完全なものになる日を迎えることはできそうにないが、それでも毎日はこの上なく幸せなので「あまり考えないようにしよう」という身も蓋もない結論でこの記事を終わる。